助成事業

正力厚生会助成事業 県内から「北九州がんを語る会」=福岡

「がん患者や家族を支えたい」と語る世話人の田中さん

 ◆会報発行や勉強会実施 
 公益財団法人「正力厚生会」が9日に決定したがん患者団体助成事業の対象に、県内からは「北九州がんを語る会」(事務局・北九州市小倉北区)が選ばれた。助成金20万3000円が贈られる。
 1990年、がんや難病などの相談に乗っていた牧師・浜口至さん(故人)が中心になり、行橋市で「行橋がんを語る会」として活動をスタートした。2年後、事務局を北九州市に移したのを機に、現在の名称に変えた。浜口さんが亡くなった後は、6人の世話人を中心に運営し、メンバーはがん患者や家族、医療関係者ら約80人。
 毎月1回、がんの情報を集めた会報「希望(のぞみ)」を発行。2、3か月に1回、専門家を招いた勉強会や、がん患者や家族の交流会、病院や施設の見学会などを開いている。ブログ(http://ctnk7460.cocolog-nifty.com/nozomi/)でも情報発信している。
 胃がんになり、93年に胃の8割を切除した世話人の一人、田中七四郎さん(67)は「患者や家族は孤独になりがち。がんを乗り越えた“先輩”の声を聞いてもらったり、最新の医療情報を提供したりして励ましていければ」と活動に意欲を燃やしている。