助成事業

NET情報交換、悩み共有=京都②

◆「しまうまサークル@関西」◆

 神経内分泌腫瘍(NET)の患者とその家族らで2012年11月に結成。専門医の講演会や患者間の交流に取り組んできた。
 NETは神経内分泌細胞に由来する腫瘍の総称。内分泌細胞ががん化し、ホルモンや神経伝達物質が過剰につくられることで、体内に様々な異変が生じる病気。肺や胃、膵臓(すいぞう)などで発症する。
 年間の発症率は10万人あたり5人と患者数は少ないが、近年は増加傾向という。世話人の原敬子さん(58)も10~11年にNETの手術を経験。会社の健康診断がきっかけで直腸に腫瘍が見つかった。
 「自覚症状もなく、はじめは軽く考えていた」というが、術後は後遺症や転移の恐怖に悩まされ、うつ状態に。しかし、家族や主治医に支えられて復職。「病気になる前より、何でも積極的に取り組むようになった」と話す。
 その一つが患者会の設立だ。発症数が少ないため病気の情報が得にくく、情報交換や悩みを共有する場がなかった。現在の会員は約70人。今秋にはホームページを作成し、最新の治療動向や患者の体験談などを掲載していく予定だ。
 原さんは「病気を抱えていても、人生を楽しみたい」と前を向く。