助成事業

福島「ひいらぎの会」に助成=福島

 がん患者同士の交流を支援する「がんを考える『ひいらぎの会』」(福島市)が、公益財団法人正力厚生会が公募した2013年度がん患者団体助成事業の助成対象に選ばれた。ひいらぎの会代表の鈴木牧子さん(58)は「がんになっても自分らしく生きていける。そのお手伝いをしたい」と話す。
 同会は1994年2月、患者同士が情報交換を図るために発足した。会員は現在、全国のがん患者約240人。医師や闘病生活を送った著名人を招いて講演会を行ったり、副作用や後遺症、家族のサポートなど様々な情報を伝える「ひいらぎ通信」を発行したりしている。
 鈴木さんは2011年、2代目の代表に就任した。卵巣がんにかかり、抗がん剤治療を経験。髪の毛が抜け落ちるなどの副作用で、将来に希望が見いだせなくなった時期もあった。しかし、同会に入って同じ悩みを抱えた仲間と出会ったことで、前向きになることができたという。
 東日本大震災で被災した会員も多い。会の存続も危ぶまれたが、鈴木さんは「会員同士の絆をここで断ち切るわけにはいかない」と奮起。それまでがんの部位別で開いていた交流会を拡大し、全会員を対象とした「ひいらぎサロン」を始めた。会員以外にもサロンの門戸を開放し、広く参加を呼び掛けた。
 鈴木さんは「患者仲間や健康な人とも積極的に交流して、自分の殻に閉じこもらないでほしい」と話している。
 問い合わせは同会ホームページから。