助成事業

がん患者2団体に助成=長野①

 公益財団法人正力厚生会の2013年度「がん患者団体助成事業」の対象に、県内から「桜むね」(吉沢英子代表)と「わたげ会」(高橋俊子会長)の2団体が選ばれた。
 【桜むね】
 桜むねは松本市を拠点に、乳がんで乳房の摘出手術を受けた女性のための胸パッドを製作している。2010年の結成以来、パッド利用者は300人を超えた。
 代表の吉沢英子さん(54)は7年前、腫瘍で左乳房の全摘手術を受けた。手術後、乳房を摘出した胸は衝撃に弱いため、病院で1個4万円以上するシリコン製パッドを購入したが、夏は蒸れるなど使いづらかった。
 桜むねの手作りパッドは、通気性のよいメッシュ地などの素材で表面を覆い、中に手芸用のビーズや綿を入れている。手術の場所や範囲、ブラジャーのサイズなどを聞き取り、利用者にあったパッドを仕立てる。
 パッドの作り方を教える講習会も松本市や名古屋市、東京都など県内外で定期的に開く。吉沢さんは「少しでも快適なパッドを利用してもらえるよう、これからも工夫していきたい」と話している。
 販売価格は胸のサイズに応じて完成品は3500~3900円。自分で作れる材料セットは1300~1700円。