助成事業

相談施設を運営 不安や悩みを共有=愛知

 公益財団法人正力厚生会(辻哲夫理事長)が公募した2013年度がん患者団体助成事業の助成対象が決まり、県内からはNPO法人「ミーネット」(名古屋市昭和区、助成額25万円)が選ばれた。
 ミーネットは、がん治療の最先端技術や、がんに関する知識を伝える市民フォーラムの開催といった活動を通じて、患者や家族支援のためのネットワーク作りなどに取り組んできた。
 2004年3月に設立され、会員は現在約600人。09年3月からは名古屋市と連携して患者の相談施設「ピアネット」を運営する。施設では、がん患者自身がピアサポーター(相談役)となり、相談者の不安や悩みを共有して、がん経験者とともに、がんと向き合う手助けをしている。相談に来る人は増加傾向にあり、2011年度は約1900人が同施設に相談に来たといい、リピーターも多い。
 今回の助成金は、医者と患者との間でコミュニケーションを深めてもらうフォーラムの開催費用などに充てる予定だ。理事長の花井美紀さん(60)は「患者と医師との間でしっかり話し合えているという人は少ない。それぞれの立場で話し合ってもらえる機会になれば」と語った。