助成事業

乳がん患者ら支え合い 弘前の団体 正力厚生会が助成金=青森

助成が決まり、弘前市の事務所で活動の打ち合わせをする赤石さん(左)ら

 乳がんを体験した人たちや、その家族などでつくる「ほほえみネットワーク」(弘前市)が、公益財団法人「正力厚生会」の2011年度がん患者団体助成事業の交付団体に選ばれ、助成金44万円が贈られた。
 会長の赤石敏子さん(63)は06年2月に乳がんで手術を受けた。その後、甲状腺への転移も判明。しかし、インターネットも苦手で情報が得られず、抗がん剤の副作用で髪が抜け、「うつ状態になった」という。こうした経験から患者仲間を募り、09年5月に同ネットワークを設立した。
 現在の会員数は、患者とその家族ら約110人。活動のメーンは隔月で開催する「サロン」で、医師らの講演や、患者が自らの体験を語り合う場を用意している。毎回30~60人が参加しており、「やっと仲間と出会えた」と涙を浮かべる人も少なくないという。
 市民や医師、看護師を目指す学生に赤石さんが講演する機会も多く、昨年9月には弘前市土手町で乳がんの撲滅を呼びかける「ピンクリボン運動」も行った。
 助成事業では、「乳がん相談のためのピアサポーター養成講座」に取り組む。ピアは「仲間」の意で、さらなるネットワーク作りにつなげようと、担当の熊地由紀子さん(47)が発案した。
 初回は7月31日で、「がん患者と家族の心のケア」「カウンセリング基礎技法」などをテーマに11月まで計4回、弘前市総合学習センターで開く。熊地さんは「がん患者を癒やせるのはがん患者。互いに支え合いたい」と受講を呼びかけている。
 受講は無料。申し込み、問い合わせはファクス(0172・38・0014)かメール(kamikazerinrin@basil.ocn.ne.jp)で。